伝染歌
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2008/02/22
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「伝染歌」(2007 日 原田眞人監督/豚元康原作)128分
「どうしたの、太一さん」
「死神が通った」
「ここは東京だよ」「死神だって上京するでしょ」
「俺は今、人生で最後のストロベリーパフェを食ったのかもしれない」
「寂しいこと言わないでよ」
「今日イラクで20人死んだ」
「は?」
「日本では、親が子を殺し、子が親を殺し、兄が妹を殺し、孫がじいちゃんを殺し、伝染歌を歌って自殺したくもなる。政治家がアホだと死神が徘徊する」
「なんかポイントずれてない?」「けっこう正しいよ」
「伝染歌は自爆テロだ」
「それはついていけない」「ストロベリーパフェもう一杯いく?」
「いやいいよ。おなかこわすから」
「さいきん、日本を美しくというスローガンの政治家が増えているだろ?」
「はい、破廉恥な政治家ほどそういうことを口にします」
「同感だ」
「着信アリ」の豚元康が手がけただけあって極めて表層的な内容だがありがちなジェイホラー(笑)には堕していない。特に伊勢谷ゆうすけのおもしろい演技のおかげで前半はなかなかのコメディになっている。奇言奇行のたぐいをロボットのような台詞回しで演じさせたらおそらく伊勢谷の右に出るものはいるまい。伊勢谷のコメディ俳優としてのすぐれた特質を活かし全編シリアスコメディにすれば「CASSHERN」なみの傑作になったのではないかと思う。一転、伊勢谷さんが死亡してからの後半は異常に眠たいです。登場人物をへらして大島優子が延々悲鳴を上げ続けるといった趣向にすれば眠くならなかったと思います。それにしても『僕の花』は曲が綺麗すぎて自殺ソングとしては説得力にかけますね。歌詞も前向きだし「暗い日曜日」と同列に扱うのは無理がある。できれば森田童子や山崎ハコのレベルの重さがほしいところだが、本当に自殺者が出たら洒落にならないのだろう。もっとも個人的にはハロ●ロ?とかいう人たちの歌の方がよっぽど死にたくなります。★
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