恋する日曜日 私。恋した
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2007/11/21
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「恋する日曜日 私。恋した」(2007 日 廣木隆一監督)97分
「私、みんな不幸になればいいって思った。」
ラドリディビチクレッテ 1ねん1くみ たつみたくろう
《恋》という言葉が2回も出てくる頭の悪そうなタイトルと、なんたらチャンプルーの曲がちぐはぐな超サムイ予告編のせいで価値を落としている感もあるが、これはなかなかよい作品である。少なくとも「海でのはなし。」よりよほどいいし、「タイヨウのうた」(YUIたん主演の方ね)と同じぐらいいい。無理やり創り出された不幸を追う貧乏人向けフィクションの手法だが、淡々と描く感じがいい。何度も言うがこの手の不幸な役柄に堀北真希という暗い女優はうってつけ。時おり言動が破綻していたり陳腐な台詞に真剣さが感じらないものの、少女のデスパレートな心の振れ幅を表現しているとすれば十分に許容範囲であろう。ところで注目したいのは、淡々としているようで意外とアクロバティックなこの映画の展開である。自暴自棄に駆られた堀北が盗んだママチャリで夜の田舎町を暴走するシーン、誘拐した幼女をチャリの荷台に乗せて廃品回収のアナウンスをシミュレートするシーン、そして二人が手をつないで静かに荒海のなかへ消えていくシーンは息をのむほど美しく、これぞまさに映画や!。という感じのすばらしい瞬間だたっ。ラストのバスガイドの物まねも不自然だが悪くはない、ただし曲(なんとかチャンプルのあれ)があまりにもテリブルなので減点。というわけで、いくつか超恥ずかしいシーンはあるが、死を前にした人間の明るさと空気の静けさをわりと適切に表現してあり、総じて見ごたえのある作品であった。どうでもいいが盗んだ自転車を返すシーンがなかった。★1/2