隠された記憶
- 出版社/メーカー: タキコーポレーション
- 発売日: 2006/10/06
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「隠された記憶(HIDDEN)」(2005 仏・墺・独・伊 ミヒャエル・ハネケ監督)119分
人間は世に生まれたことですでに「罪」を持っています。意図的であろうとなかろうと先進国で生きる我々は絶対的に後進国や貧しい人々を犠牲にして高い生活水準を保っています。そういったやましさを個人がどのように消化するかは人それぞれです。私は人間の誰もが持つ「罪」をどのように表現するかを仕事にしているのです。
ジャケットの首を切られて瞑目しているニワトリの絵がめちゃかわいいので借りたのだが、超しんきくさい映画だった。固定カメラによるロングショットの長回しが延々つづき、沈鬱な面持ちのフランス人がケロケロペタペタとわけのわからない会話をつづけるばかり。永遠に続くかと思われるケロケロペタペタのなかで観客が退屈しきった頃をみはからい、ニワトリの首チョンパや頚動脈切断などのえぐいカットがさりげなく挿入されるのでなおさらタチが悪い。ストーリーは会話を通して間接的に語られるだけなのでよくわからないし興味も持続しない。昨今の情報過多の映画には辟易するが、ここまで情報が少ないと単純にストレスがたまる。しかも解釈はおまえらにまかせた!というオチなので終始なんのこっちゃ感をぬぐえなかった。というわけで最後まで見るのに相当な忍耐を要するうえ観終わったところで何の満足感も得られないという、ミヒャエル・ハネケ一流の悪意をひしひしと感じた。ξ