Grand-Guignol K.K.K

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デッド・サイレンス

「デッド・サイレンス(DEAD SILENCE)」(2007 米 ジェームズ・ワン監督)89分
ジャケット裏のキモ人形のセンスが悪くないので借りた。腹話術ホラーの要素もあるが、どちらかというとコケオドシ全開の古色蒼然たる人形ホラー。腹話術ホラーとしては「マジック」などの古典的名作があるので今さらな気もするし、また腹話術をからめたせいでテーマが分散し商店が小火けてしまった感もある。それはいいのだが、ひっきりなしに動く画面と効果音が超うざい。こざかしい映像としょうもない台詞の垂れ流しばかりでまったく説得力がない。あと人形の使い方も間違っている。ぞろりと並んだキモ人形のそろい踏みは壮観だがチャッキーみたいにはしゃぎだしたらもう目も当てられません。人形は人間ではないのだから安易にしゃべったり顔面をブサイクにゆがめてはいけない、というギリギリの一線を近年の映像技術の進歩はいともたやすく侵害する。本作のような題材の作品は1960年代にモノクロで作られるべきであった、と強く思う。キモ人形という凶悪にして崇高な素材を凡庸なアクションホラーに仕立てるぐらいならいっそギャグにすべきであろう。唯一、目と舌を抜かれた一家のモノクロ惨殺写真がフェイクだがよくできていた。あれ欲しい。★