汚れた英雄
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- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2004/09/24
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「汚れた英雄」(1982 日 角川春樹監督/大藪春彦原作)
マシーンを愛し
ロードレースを愛し
サーキットに散った戦士たちよ
いま
鎮魂の譜(うた)を捧げます
散華リアリズム 1ねん1くみ くさメリまさお
(あらすじ)
コースに犬のウンコが落ちていたら大惨事にもつながりかねない過酷なロードレースの世界。0コンマ1秒に命をかける男の青春!
(かんそう)
バタ臭い風貌の天才レーサー北野晶夫は、豪邸に住み、高級外車をのりまわし、自宅プールにハダカで浮かぶなどやりたい放題の毎日。さらにセレブパーティーにもちょくちょく顔を出し、得意の英語を駆使して外人女社長をナンパする。キャメラは終始気取った構図をキープしつつ、北野晶夫の異常なかっちょよさを一篇のフォトーアルバムのように描き出していく。幕間に時おり北野晶夫と外人女による英語の寸劇(コント)が挿入されるのだが、これがめっぽうおもしろい。外人女の屋敷に忍び込み、廊下に陳列されたロウ人形に紛れ込む晶夫。白スーツに身を包み、彫刻のようにわざとらしく壁際でポーズをとる晶夫に女が声をかける。
"If I were Rodin, I'll carve you in marble. But I'm afraid my work couldn't be just as the original"
"And if I were Renoir, I will insist that you undress right now"
出てきた執事に"Get out of here you sneak thief!"と叱られた後も
"But he was right about one thing. I AM a thief. I came to steal your heart"
などと言い放つ。ただでさえ自分の主演映画の感想を書くのは恥ずかしいのに、こんなコジャレタセリフがスラスラ飛び出す北野晶夫のかっちょよさは異常というべきで、気恥ずかしさを通りこしてもはやお笑いの世界に到達しているといっても過言ではないだろう。すべてはひたすら主人公をかっちょよく見せるために、プロットの破綻や矛盾などお構いなしに進んでいくので逆にきもちがいい。さて、クライマックスのレースシーンは下手をすれば退屈になりかねないが、そこは複数のバイク搭載キャメラやスーパースローモーションを駆使して緊張感を高める。ここぞという場面でフィルインするローズマリー・バトラーのテーマ曲(なぜかブロンディの「コールミー」とそっくり)も雰囲気を盛り上げる。最後に主人公は死ぬ。大薮春彦原作だから予想どおりとはいえ、やはり最後に主人公が死ぬと映画がひきしまるなあと思った。主人公は最後にかっちょよく死ぬべき、という大薮春彦の散華の美学が鮮やかに結実した角川コメディの秀作と言えよう。★1/2
↑ラスト泣ける