今日のポエム
崖の上のぽにょ 1ねん1くみ えのきたかあき
大量のヒトデの死体を敷き詰めた秋の山道
若干ゲリ気味のオチャメなおまえは
うんこの場所を求めてさまよい歩く
からすが空高く飛んであほとなく
凶暴なコアラの群れが狙い澄まして
つけものいしを投下してきます
それをみておまえはシネと思います
ようやく逃げ込んだ崖の上の洞穴で
無事インパルスを解放し終えたおまえは
大地に刻んだ《生命》の証を満足げに眺めながら
愚かにもこんな思いに囚われる
「もしもいま
ここでわたくしが突然死んで
二千年後にミイラとなって発見されたら
『二千年前のミイラ発見。遺体の横にうんこ』
と報道されてしまうのではないか
その死をめぐってあることないこと
『古代人はうんこの場所を求めて洞穴にたどり着いたが
うんこの直後に心臓発作か何かで死んだものと思われる』
とかなんとか書き立てられるのではなかろうか
そんな
みっともない目に遭ってたまるものか」
発作的におまえは
生まれたての小さな生命(うんこ)を洞穴の外に放り出し
登山用ナイフでみずからの喉首を刺し貫いた
恍惚として血まみれのおまえは思考する
これでことの真相を知るものは誰もいない
わたくしの死によって
永遠という憂鬱な謎が残されたのだ