西の魔女が死んだ
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2008/11/21
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ババア死す 1ねん1くみ おだむどー
「私はアノ人を好きになんか絶対なれない。あんな汚らしい奴、もう、もう死んじゃえばいいのに!」
登校拒否の娘が田舎のスローライフを満喫しやがるという「毎日が夏休み」にも似た話だが、決定的に違うのはこちらが駄作だということだ。だいたいタイトルの段階でババアに死亡フラグが立っていてははーんコイツが最後に死ぬのだな、ということは容易に推測できるのに本当にババアが最後に死ぬだけの話で、こんな「ババアが死んだ」の一言で要約可能な話を115分もの長尺に仕立て上げる意味がわからない。他にも展開が容易に読めるタイプの凡庸な表現が目についた。たとえば粗野で汚い作業員を演じるオワライ芸人の人相が悪すぎるのはコイツを「じつはいい人」に仕立てるための伏線であろうと了解されるし、「悪いけど台所に行ってちょうだい」と指示された娘が台所に入ったとたん母親の号泣(笑)を聞くなんて映画文法ですらないステレオタイプの冗長表現である。マニュアルどおりに尻を撫で回す痴漢の指先に濡れるのはアホな観客だけ。唯一評価できるのはババアが残したダイイングメッセージだが、これをラストシーンとして適切に昇華しなかったことが本作における最大の過ちであろう。★