プープーの物語
「プープーの物語(The Story of PuPu)」(1998 日 渡辺謙作監督)73分
プープーとは子豚のことだが、本編には一切登場しない。なぜなら本当は子豚などではなくて主演の二匹がどこかから盗んできた赤ん坊であり、しかもその正体はホモカップルが脱糞したウンコだったのだ。製作者はおそらく「ひなぎく」ばりのポップでキッチュなロードムービーもどきを企図したのだと思うが、その試みは半分ほど成功したにとどまっている。青空に映える血の赤や坂道を下る乳母車など美しい画もあるのだが、致命的なのは主演の二匹がいまいちかわいくないのと音楽と台詞の貧しさがいかんともしがたく、その意味で73分の短尺に収めたのはきわめて賢明である。★