ALWAYS 三丁目の夕日
「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005 日 山崎貴監督/西岸良平原作『三丁目の夕日』)133分
アグマアー!
昭和33年の東京を舞台に、団塊世代のノスタルジイをてんこ盛りにした作品。わたくしごとだが「三丁目の夕日」と言えば原作よりもアニメの方がなじみ深い。あのデフォルメされた奇形キャラの織り成す人情コメディがけっこう好きで、もはやあのアニメの方がわたくしにとってノスタルジイだったり。さて、一般にノスタルジイというのは追求するほどに喪失感が増すというタチの悪いオブセションであるが、この映画で描かれているのはもはやどこにも存在しない世界、すなわち現実とかけ離れたファンタジーそのものであって、必ずしもリアリティを前提としないという設定の強みがある。したがってマンガ原作の実写化に伴う違和感も、随所にまぎれこませたわかりやすいVFXも、「うさんくさい」昭和のかほりがうまく吸収していたように思う。というかここまで自己完結した予定調和の世界観に難癖をつける方が野暮であり、公平に見てファミリー映画として非常に無難なつくりだと思いました。で、意外とよかったのが六ちゃん役の堀北真希。今回みたいな垢抜けない役柄の方が断然カワイイ。次回はぜひ乞食役に挑戦していただきたい。あと青森県民は全員頬が赤いということが判ったのは大きな収穫(リンゴだけにな!)★1/2