楳図かずお恐怖劇場 まだらの少女
「楳図かずお恐怖劇場 まだらの少女」(2005 日 井口昇監督/楳図かずお原作)
「あのー、みどろ村ってまだですか?」
「あんた誰なの?どっから来た?」
「あたしは中村ユミコ。東京から来たんです」
「ユミコ・・・?」(そそくさと逃げるババア)
「待っておばあさん」
「ひぃー」
「猫目小僧」に引き続き、鬼才井口昇監督が斬新なコメディセンスで楳図作品を映像化。あいかわらず台詞がおもしろいし、集落共同体の排他性や田舎の恐怖を体現したルーラルな田園描写もすばらしい。主人公が連発する「キャー」という決め台詞と特殊なポーズ、「震える舌」よろしくいきなり体をのけぞらして「クエー」と雄たけびを上げる少女など楳図作品の様式美とも言うべきシーンの数々が再現されていてなかなか楽しい。VFXのショボさを逆手にとった大団円もなんだかよくわからんが感動的だった。なお、どんなアホナ役柄も的確にこなす成海璃子のロボットのような存在感は特筆すべきだらう。★