自虐の詩
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「自虐の詩」(2007 日 堤幸彦監督/業田良家原作)115分
EL BIMBO 1ねん1くみ やぎらゆうや
「サイレン」「包帯クラブ」とたてつづけに凡作をれんぱつした堤幸彦監督がまたぞろ駄作を発表。「トリック」劇場版あたりでやめておけばよかったのに、変な色気を出してあれもこれもと欲張るものだから、撮れども撮れどもこの始末(笑)。まあそれはいいとして、問題はこのお話が自虐でもポエムでもなく、たんなる貧乏くさい純愛活劇だということである。前出の堤幸彦監督作品のとりわけ後半が等しくダメなのは、日本人のなかでも特にアホの層をターゲットにしたメソメソ系のビンボー話だからであろう。おまえら庶民ときたら、まず他人の不幸に群がるだろ。でもって金には飛びつくだろ。そのくせ純愛とかも大好きだよな。つまりツゴウのいい幻想に希望を見出し、そいつを幸福と名づけて寄生する。ハリボテの幸福を内部から侵食しながら、やがておのれの排泄物で窒息死。ああ、こりゃ確かに自虐的だわ(笑)。覚えておくがいい。おまえたちの食卓がピカピカに輝いているのは、夜中に親切なゴキブリが起き出して食器類をきれいに舐めているからだということを!ξ