どうぶちゅ狂い顔
狂い顔のどうぶつが好きだ。狂い顔のどうぶつ(わたくしはこれを≪どうぶちゅ≫と呼んでゐる)を眺めていると心が癒されるし、日常の喧騒を忘れて未知のワンダアランドに迷い込んだかのような錯覚をおぼえることができる。
先日もダイソーで素敵な狂い顔のどうぶちゅにであった。木製のクマの人形なのだが、目の位置が微妙にずれていてあさっての方を向いている。さらに、「ザ・玩具木 WOODEN TOY - 木製吊り下げ人形 - 」と命名された大創産業製造のこの商品には「jumping hopping」という楽しげなキャプションまで付いているのだが、いかんせん熊は針金で首を絞められて台紙に固定されている。首をしめられて苦しそうにしているどうぶちゅの狂った表情にわたくしは異常な興奮をおぼえ、思わず100円で購入してしまった。
さて、袋から出して解放してやったところ、どうぶちゅは矢庭にひゃっほーい、きゃっほーいと大はしゃぎを始めた。脳天にスプリングがついていて、みょーんみょーんと跳ねる構造になっている。横に揺らせばゆやーんゆよんゆやゆよんとローリングもする。目つきもヘンだし、なんか足も変な方向に曲がっているし、確実に何か薬物をやっているとしか思えない。完璧だ。
わたくしはこのどうぶちゅを熊野ベンゾーと命名し、リビングの電燈に吊るしてやった。
ベンゾーは今日もごきげんのようすで元気にホッピングを楽しんでいる。