OZAKI
尾崎が最後の日記に「尾崎に失礼します」と書いたのは有名な話である。まさかと思うだろうが、本当の話だ。俺に言わせればいかにも尾崎らしいエピソードである。人間たるもの、死の床に臨んでもやはり渾身のギャグを遺したいものである。ちょっと待て、そんな話は聞いたことないし、その前に尾崎って誰のことだよ?という至極もっともな疑問が生じるわけだが、尾崎といえばもちろん士郎に決まっておるかというとそうでもなく、いや紀世彦、ジャンボ、亜美、いやいや方哉、などと乱れ飛ぶ憶測の果てにいやワシのことじゃと関係のないオッサンが名乗りを上げるに及んで、どうでもいい混乱を尻目にビールなどを飲みつつ俺は万年ネタギレなんじゃ文句あっか、と逆ギレしてみる35の夜。いや違うけど。尾崎に失礼します。