ゴジラ対ヘドラ
「ゴジラ対ヘドラ(GODZILLA VS THE SMOG MONSTER)」(1971 日 坂野義光監督)
ゴジラシリーズで一番ヘンな作品との評判ですが、斬新です。実にシュールな怪作。ヘドロの中で泣く赤ん坊やプカプカ浮かぶ魚の死体などのトラウマ映像をはじめ、ヘタクソなアニメーションとかガキの散文詩朗読など実験的手法の効果がすばらしい。「ごきげん」ってなんだよ、怖すぎ(笑)。竜宮ディスコなんてふざけてるとしか思えん。お子様映画でありながらラリったような危うさがあるのは、サイケデリックムーブメントの影響ですか。富士山麓で開催される「イカス100万人ゴーゴー集会」。集まった100人の末路も笑えます。ゴジラとヘドラの対決が実は一番どうでもいいのだが、「♪か〜えせ、か〜えせ♪」という例のテーマ曲に乗ってヘドラをグチャグチャにするシーンとかゴジラの行動もどことなくイッてしまった人のようです。公害問題をギャグにするのが不謹慎だと仰る方はこの映画を観るべし。ヒステリックに訴えるより遥かに効果的だということがわかる。ヘドラの造形だって本当はもっと汚くしたかったのではないか。★1/2