Grand-Guignol K.K.K

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スパズモ/グース


「スパズモ(SPASMO)」(1974 伊 ウンベルト・レンツィ監督)
イタリアグロ映画界の貴公子「ウン様」ことウンベルト・レンツィによる傑作ジャーロ。なんだかよくわからないけど面白いので二回も観てしまった。とにかく不気味でカッコいい。主演のおっさん男前やのう。不気味な雰囲気と対極のエンニオ・モリコーネのスコアも極上。オープニングのすばらしさは鳥肌ものですね。謎が謎を呼ぶ巻き込まれ型サスペンスで、妄想と陰謀のはざまでストーリーは混乱を極めますが、却ってそれが絶妙のカオスを生んでいる。「すまない、頭が変になりそうだ」「神経が切れそうだ」とか連発するので笑った。マネキンや鳥類の気持ちわるさを押し出しつつ、切ない叙情を巧みに織り交ぜるところなどウンツィ監督の手腕が冴えわたっています。「デリリウム」とか「影なき淫獣」とかジャーロの予告編ってなんかサイケでやたらカッコいい。音楽がいいし、オリジナルポスターがまた渋い。★★


「グース(FLY AWAY HOME)」(1996 米 キャロル・バラード監督)再見
たしか実話が元になっているはずで、前やってたドキュメンタリーがそれはもう美しかった。で、映画もいい。なんというか、牧歌的である。いい話なのに、嫌味がない。ママ・グース号を先頭に隊列を組んで夕空を渡るグース(ガチョウと呼ばないのが味噌)のシルエットは非常に優美で勇ましい。飛行機の改良とグースの成長、そして父と娘の交流なんかを重ねて描いているところがいい。試行錯誤しながらグースに「渡り」を教える過程はわくわくするような楽しさである。CGのオバケに過ぎなかった「ジュラシック・パーク」と違って、本物のグースを使った実写の凄味であろう。人間の主人公がひねくれた思春期の少女という設定もいい。なんというか、ファンタジーである。ガチョウのウンコまみれのアンナ・パキンにワシも飼われたい。