グレアム・ヤング毒殺日記
「グレアム・ヤング毒殺日記(THE YOUNG POISONER'S HANDBOOK)」(1994 英 ベンジャミン・ロス監督)
映画なのでユーモラスに誇張してあるが実話である。以前テレビでこの人のドキュメンタリーをやってた。俳優がすばらしく気持ち悪いですね。これほど陰湿な事件を題材としながら全体的にあっけらかんとした英国風のシニックが効いていてああなるほどと思わせられる。実際こいつの偏執狂的な精神状態は誰でも身に憶えがあるだろう。知らんとは言わせないぞ。というかですね。よく考えると我々は日々わけのわからんものを食わされているわけである。人類の偉大な叡智が生み出した合成添加物てんこ盛りのお惣菜。絶え間なく輸入される海外からの安価な食品群。スーパーのラベル偽装など今に始まったことではない。医者はメシを食いながら平気で死体の話をする。加熱するハンバーガー値下げ競争。ヌートリアの頭数がなぜか減っているらしい。増加する一途の薬物依存症。薬の副作用を抑えるための薬。目薬の中身は塩酸。日常とは神による緩慢な毒殺絵日記なのである。★1/2