子猫物語
「The Adventures of Milo & Otis」(1986 JPN Directed by Masanori Hata)邦題「子猫物語」Region 1 Closed-Captioned
"The animals used were filmed under strict supervision with the utmost concern for their handling, we hope(笑)."
観たことはないが邦画ヒット作「子猫物語」に外人のナレーションと外人の歌もつけたカットバージョンである。猫と犬の名前もチャトラン&プー助からマイロ&オーティスへ。とりあえずこのジャケットは俺を狙い撃ちしているので買った。なにかと不吉な評判の絶えない本作だが、これを外人がどういう視点で観るのか非常に興味深いのである。まず、日本版は露口茂と小泉今日子のナレーションだけの映画だったらしい。それに対してこちらは日本映画だとバレないよう故ダドリー・ムーアがむりやりナレーションとモノローグをかぶせているのだが、とにかくうるさい。アメリカ人らしくのべつまくなしに喋りつづける。観ればわかるシーンまでハイテンションでいちいち説明しまくり。ダドリー・ムーアには悪いが、これは言語過多の見本である。子供が静寂を嫌うというのは大人の思い込みだ。「間」に近い概念はあるはずなのに。音楽は坂本龍一が担当しているはずだがクレジットでは外人になっているので全面的に差し替えられたのだろうか。それはともかく、imdbのレビューなんか読んでると賛否両論が渦巻いてて笑える。絶賛している人があるかと思えば冷めた意見もあり、動物愛護の観点からヒステリックに批判する人、ヒステリックな批判に対してPETA(※)の回しものとヒステリックに迎え撃つ人、ズーロジストのミスタ・ムチゴローが動物虐待などするはずがないと主張する人。なんだかんだで好評が多いのも笑える。実際おもしろいし。まあ、なんにしろ人間が一匹も出てこないのがいい。★1/2
※PETA(People for the Ethical Treatment of Animals):圧力団体の一。通称「動物愛護協会」。