掘った奪った逃げた
「掘った奪った逃げた(LES EGOUTS DU PARADIS)」(1979 仏 ジョゼ・ジョヴァンニ監督)
「ナポレオンも記念碑なしでは忘れられる。うぬぼれとユーモアが必要さ。」
お前も蝋人形にしてやろうか!!と無意味に叫んだところで本日の映画。ジョゼ・ジョヴァンニは過去に「穴」という傑作を撮っているのだが、「穴」といい「掘った奪った逃げた」といい、いろんな意味で<穴>に執着がある人なんでしょうね。どういう執着かと訊かれても困ります。そんなわけで疑惑は深まる一方ですが、これは実在の泥棒「怪盗スパジァリ」の自伝を映画化したもの。でも「黄金の七人」みたいなヲサレなB級映画ではない。リアリティを重視したひたすら実録風の造りで、手口はドロくさいうえダラダラと退屈だし、かっこいい音楽も魅力的なキャラクターもない。致命的なのは登場人物が多すぎる点。誰が誰だかわかりません。まあ、とりあえずこの邦題はおもしろいですね。「馬場広田堀田」みたいで。つけた人がえらい。★