下妻物語
「下妻物語」(2004 日 中島哲也監督)
品のない映画ですが、けっこうおもしろかった。漫画的表現が作品の世界観にいやみなく収まっているし、古き良き時代の(あるいは現在進行形の)腐ったロリータ文化・ヤンキー文化のパロディとして、一本筋の通ったところ、ふっきれた感じがいい。やはりビミョーな片田舎というのは説得力がありますね(方言がいまいち徹底されていないのは仕方ないか)。キャスティングが絶妙ですね。根性のねじまがったふかきょんはかっこいいです。というか情けないことに共感しまくりました。ふかきょんはメリー・ポピンズと同じく頭にヘリウムガスが詰まっているのでお空を浮遊できるのですね。屈託のない人がこれ観て共感なんてできるんだろうかとも思いましたが、こういう願望は誰の心にも多少ひそんでいるんですかね。ラスト数十分の展開が少々辛気くさいのは残念でしたが、娯楽映画としては適切な処置と言えるでしょう。まあいずれにせよ、邦画ながら変に深刻ぶらないでへらへら笑えるという趣向はなかなか貴重だと思います。「タイムマシンにおねがい」が懐かしいねえ。あと、こんなアホ映画に嬉しそうに出演する水野晴郎氏の心意気を大いに買いたい。★★