ロミオとジュリエット
「ロミオとジュリエット(ROMEO E GIULETTA)」(1968 英・伊 フランコ・ゼフィレッリ監督)
「あんな娘、お墓と結婚でもすればいいんです!」
フランコ・ゼフィレッリが送り込んだロリ刺客オリビア・ハッセーのオリエンタルな美しさ、そしてニーノ・ロータの有名すぎる美旋律より他に褒めるところのないコメディ映画だと思っていたのだが、DVDを買ってひさしぶりに観て思った。やはりこれは間違いなくコメディです。そうとでも考えなければ、こんなけしからんエロガキどものベタベタの猿芝居を140分もかけてダラダラみせる理由がわかりません。本当にけしからんですね。オリビア・ハッセーの爆乳美少女ぶりと葬送シーンの壮大なコーラス、ならびに地下墓地のキュートな死体群を除けば、あとは直視に耐えない恥ずかしい台詞と大仰な過剰演技のオンパレード、というか中世の殿方の股間にあるあのモッコリした飾りはなんでしょう。気になって映画に集中できませんでした。なんだかよくわからないアホ一族同士のいがみあいが延々続くのですが、股間にあんな袋のある恥ずかしい格好だと何をやっても喜劇になってしまいますよね。一時の激情に駆られて愚かしい争いを繰り返しているとこんな情けない結末が待ってますよ(笑)、とシェイクスピアは優しく諭しているわけですね。皮肉な運命の糸にあらがうすべての目論見が、のきなみ裏目に出つづける悲しい愛の物語。ってぜんぶシェイクスピアの妄想のなすがままなんですが。もてあそばれたのはオマエたちの方だよ(ぷぷっ)!というハゲのほくそ笑みが目に浮かぶようです。