エクソシズム
「エクソシズム(EXORCISM)」(2003 米 ウィリアム・A・ベイカー監督)
「エクソシストって映画があったでしょ?あれで負けるのはカトリックの神父よ」
「だってあれはただの映画じゃないの。ハリウッド映画なんてこれっぽっちのリアリズムのかけらもないんだから」
エクソシズムを扱った映画は、目玉となるはずの悪魔払いシーンが例外なくもっともつまらないと思うのだがどうか。キリスト教文化圏の観客しか射程に入れていないのは解るが、文化や背景を知らないと理解できないという意見は正論であるがゆえに、どうも言い訳くさくて信用しかねる。要するに普遍的な恐怖が描けていないだけではないのか。というか本当に優れた作品であればたとえ内容が理解できなくてもなんらかの心に迫るものがあるはずである。前置きが長くなったがこの作品、ダメなエクソシズム映画の典型ですね。大あくび連発である。タンバテツロー監督、オダムドー主演の除霊ホラーを観ているような白々しさが横溢している。集まった神父もそろいもそろって役立たず、世の惨事すべてを悪霊のしわざと主張する神父に至ってはアホとしか思えず、悪魔の演説の方がよほど説得力がある。にもかかわらずお約束どおりなんだかよくわからないうちに神父側が勝利を収めるのであった。めでたしめでたし。あと、ジャケットの女の子はどこにも出てきません(爆)。ξ