地獄変
「地獄変」(1982 日野日出志 著)
ふだんマンガとかぜんぜん読まない方なのだが、これはなつかしいので買った。おれはかつて熱心にグロ画を描いていた暗い子供だったが、そのルーツは間違いなくこれだろう。とはいえ、内容はぜんぜんおぼえていない。なんか異様に目玉の大きい死体と、孵化前のカラスのヒナを子供が嬉しそうにのみこむシーンが印象的なだけで、あとは読んだかどうかすら怪しい。で、読んだ。想像していたものと微妙に違ったが、これはすばらしいですね。研ぎ澄まされた呪詛と怨念が妖しい詩情にまで昇華され、鬼気迫るものすら感じる。怖いというか、なんか泣ける。この作品のテーマは「みんな死ね!」だったんですね。知らんかった。しかし小学校の教室にこんなもの置いといたらいかんだろう。「はだしのゲソ」ならまだ分かるが、これはないよな。こんなものを読んだ子供がまともな人間に育つわけがない(笑)。★★