ジャンボ・墜落 ザ・サバイバー
「ジャンボ・墜落 ザ・サバイバー/墜落大空港(TV)(THE SURVIVOR)」(1981 濠 デヴィッド・ヘミングス監督)
「ダルマさんが転んだ」で始まる意味深なオープニングがえも言われず美しい。そして突如として訪れるホラーシークエンスの凶暴さ。カメラマンが墓場で少女の霊と遭遇するシーンなんかすごくカッコいい。白昼にチラチラと見え隠れする少女の幻影に導かれ、あげくどん底の恐怖を味わう。災害現場というのは死んだ人の怨嗟の声で満ち満ちているはずで、コケオドシBGMが暗示的に使われていて心地良い。反面プロットとしてはいかにも弱いのだが、まあこの手の話なんてどれも同じと言えばそれまで。原作は「月下の恋」のジェームズ・ハーバートなのでそのまんまなシーンもある。しかしデヴィヘミの確かな演出力の前に通俗的な批判など意味をなさないだろう。87分という尺の短さも好ましい。だいたい最近の映画は無駄にダラダラ長すぎる。人間の集中力などせいぜい90分で限界なのだから、2時間を超える映画など狂ってるとしか思えん。無駄に2時間超えていいのはタルコフスキーぐらいのものだ。そうは思わんかねマスオくん?★1/2