羅生門
「羅生門」(1950 日 黒澤明監督)
原作は芥川龍之介だが、『羅生門』ではなく『藪の中』を脚色したものらしい。死体描写や小汚い老婆を期待していたので肩透かしだった。で、ねむい。テンポゆるめでかなり退屈、途中で爆睡したので起きて観なおしたら、またしても途中で強烈な睡魔におそわれた。薄れゆく意識のなかで、原因がふたつあることに気づいた。まず、台詞の半分ぐらいが聴き取り不能。字幕なしの輸入盤を観ているようでつかれた。あと、音楽がうるさい。一本調子でメリハリがないうえずっと鳴りっぱなしなので眠気をもよおすのだ。あと、内容に比して長すぎる。こんなしんきくさい話に90分もかける必然性がない。大半を占める挿話部分は間接的な劇中劇であり、最終的にかなりどうでもいい話である。原作は短編だったと思うので、三分の一ていどに圧縮した方がより鋭くテーマをえぐりだせると思う。あと登場人物の言動がいちいち不快。それを企図しているのは判るが、誰ひとりとして感情移入できない話を観つづけるのはつらい。あああすみません、つい調子にのっていっぱい文句をつけてしまいました。でも多情丸という名前にはちょっとウケた。三船さん乳首きれいだなー。エロ親爺な風貌がすてきだ。屈辱と快感に悶える京マチコたむもエロい。狂った表情がたまりませんね(ギャーギャーわめくのはいただけないが)。霊媒のババアも爆笑ものだった。そんなわけで、あのとってつけたような結末でまっさきに人肉屍食を連想した私は間違いなく下司野郎です。★