ちょっといいうんこの話
「真実とはうんこである」
かつて偉大な詩人がこう言った。
真実を前に人々はおののき目を伏せる。永遠に触れることのない禁断の聖域。
あれを言ったのは誰であったか。
「ワシじゃ」
どこからともなく現れた白ひげの老人がそう告げた。
ボロをまとったその姿はさながら乞食のよう。手にはどこかで拾ってきたらしいマンガ本をもっていた。
「目の前の真実を直視せよ。そしてその手でつかむがよい。オヌシにその勇気があるのか?」
謎めいた微笑を浮かべながら、老人は霞のように消えた。
あとにはうんこが残されていた。
そのうんこは、温かかった。