バタフライ・エフェクト
「バタフライ・エフェクト(THE BUTTERFLY EFFECT)」(2004 米 エリック・ブレス/J・マッキー・グルーバー監督)114分
なんてイヤな映画だ。時制をちょこまか移動したり記憶をちんたら弄くったりする最近の映画は本当にタチがわるい(「ドニー・ダーコ」とか)。どっちへ転んでも最悪の結末が待っているか、もしくは誰かが貧乏クジを引くようにできている。そのくせ改変可能な過去を思い描き、都合が悪くなれば粉飾決算。嗚呼、貧しい、貧しい。糞のような人生が走馬灯のように・・・。なんかもういいよ、って感じ(笑)。ラストもしつこいカットバックの意図がまるみえでいまいち。ごていねいにもDVDの特典でオルタネート・エンディングが網羅されていて、個人的には"Stalker Ending"の方があっさりしていてふさわしいと思ったが、関係者は正反対のコメントをつけていました(笑)。しんきくさい映画だが、過去が呪いの代名詞に過ぎないという極めて常識的な教訓を垂れているのでわかりやすい作品ではある。しかしこんな大げさなタイトルをつけるならせめてもう少しSF的にひねってほしい(「オーロラの彼方へ」ぐらいに)。★