エッジ・オブ・ヘル/地獄のヘビメタ
「ROCK 'N' ROLL NIGHTMARE (AKA "EDGE OF HELL")」(1987 CA Directed by John Fasano)邦題「エッジ・オブ・ヘル/地獄のヘビメタ」Region 1,2,3,4,5,6 字幕なし 89min.
メタルオヤジの妄想が炸裂する伝説のカルトホラーが、まさかの豪華特別仕様で登場! 田舎の一軒家にレコーディングにやってきたヘビメタバンド「ザ・トリトンズ」。極限まで頭のわるさを追及したロックナンバーの演奏シーン、全編の半分近くを占めようかというファックシーンを観る限り、2倍速がこの作品の最適な再生速度ですと言わざるを得ないのだが、本作がカルト化した要因がラスト十数分間に展開する目のくらむようなクライマックスにあるのは疑いようがない。
(以下ネタバレ)
一般人にはおよそ理解不能な衝撃の告白とともに突如とげとげブリーフ一張のマッチョヒーロー(大天使トリトン)に変身したジョン・ソア(北米ボディビルチャンピオン)、このビジュアルだけでも十分ショッキングだが、魂を震わせる名曲 "WE ACCEPT THE CHALLENGE" をBGMに、スタッフが投げつけた一つ目ヒトデの群れを手でふりはらいコレデモカと素手で握りつぶすというアグレッシブなファイトスタイル、子供のケンカのようなつかみあいをプラスチック製の悪魔人形と延々4分間も演じたあげく、噴きあがる花火とともに半泣きで逃げ帰る悪魔(嗚呼!)、映画史上に燦然と輝く名台詞 "I'll see you again...old scratch..." を残しどこかへ立ち去る大天使・・・
と、本作が見せた未曾有のどんでん返し、その台詞の哲学性とカタルシスの深さは比類なきものであり、海外の熱狂的なレビューがこの事実を証明している。20年近くの時を経て続編「INTERCESSOR: ANOTHER ROCK 'N' ROLL NIGHTMARE」が制作されたことからもその人気ぶりが伺えよう。なお、見事にメタル中年オヤジと化したジョン・ソアが映画の冒頭と最後に "WE LIVE TO ROCK!" とうれしそうに顔を出すが、普通に無視してあげるのが礼儀というものである。