銀河ヒッチハイク・ガイド
「銀河ヒッチハイク・ガイド(THE HITCHHIKER'S GUIDE TO THE GALAXY)」(2005 米・英 ガース・ジェニングス監督/ダグラス・アダムス原作)109分
レンタルでも良かったのですが、つい先走って買ってしまいました。原作は未読ですが、この手のバカSF*1は少年の心をもつわたくしどもにとって永遠の夢であり、いかにくだらない世界が待ち受けているかという期待で勝手に胸が膨らんでしまうものです。で、期待どおりSF的なくだらなさの粋がちりばめられた秀作には違いないのですが、全体としてどうも薄いというか、もう一歩不発という印象を受けました。理由のひとつは、ロボットやグロ系異星人の可愛らしさに比べると地球人型キャラクターのルックスが見劣りするという点。明らかに絵面的に魅力に乏しい彼らが主役であることにどうしても違和感をおぼえてしまいます。もうひとつは、設定の壮大なバカバカしさのわりにストーリーがこぢんまりまとまりすぎているという点。型をなぞることによって中身をおちょくるのはパロディの基本ですが、予定調和の枠にきっちりおさまることとはまた別だと思います。その点、愛すべき根暗ロボット・マーヴィンたんだけはきっちり決めてくれましたね。あの勢いでボカ〜ン!!と脈絡なく宇宙が爆発するようなめちゃくちゃな結末、哲学性が裏返ってシュールの彼方へ突き抜けるような破天荒さがあれば傑作になったでしょう。★1/2