ヒストリー・オブ・バイオレンス
「ヒストリー・オブ・バイオレンス(A HISTORY OF VIOLENCE)」(2005 米・加 デヴィッド・クローネンバーグ監督)96分
「旦那に聞いてみろよ。どうしてあんなに人を殺すのがうまいのか(And ask him Edie, how come, he so good, at killing people)」
身近な人物の知られざる過去をめぐる戦慄の家族ゲーム。「空中庭園」と微妙にかぶりますね(ラストも)。真実を知らされた家族の驚き、あきれ、恐れはいかほどのものでしょうか。われわれも身内からいつどのようなカミングアウトをされるか分かったものではないので、いざというときうろたえないよう、やはり日頃から訓練を積み重ねておくことが大切です。「じつはカツラでした」「こう見えても前科一犯」「黙っていたけどお母さんは男です」「おまえはわたくしのお父さんなのです」「地下室の壁のシミの正体について」「本当はみんな宇宙人」「おまえはもう死んでいる」などなど、あらぬ状況を脳内シミュレートしてまさかの時に備えておきましょう。というわけで、なかなか考えさせられる作品でした。家族とは一体何なのか?ケツアゴ・モーテンセンのアゴに隠された謎のフォースとは?次回『海底人間ザザンボ』「戦慄!ハニワ幻人の野望」をおたのしみに。★