陽気な痴漢が地球を回す
「陽気なレイプ魔が地球を回す」(2006 日 前田哲監督/伊坂幸太郎原作)92分
ロマンは塀の中 1ねん1くみ たしろまさし
オレが言うのもどうかと思うんだけどさ、これってわざわざ映画化するような内容かね。せめてもう少しシステマチックな犯罪の手口やアイデアで楽しませてほしかったのだが、やってることと言えばぐだらぐだらとしょうもない人間模様とかったるい会話で時間をつぶしているだけ。とりあえず能書き垂れるしか能のない佐藤コーイチの演説がつまらなすぎる。こんなぬるいギャングどもに金はやれません(笑)。だいたい犯罪にロマンもくそもあるものか。犯罪をショー化する、見世物化するという趣向はわかるのだが、ここまでおおっぴらに肯定されるとアホカと言いたくなる。なあにが陽気なギャングだ。犯罪者ってのはなあ、もっとミジメで孤独なもんなんだよ! こんな半端なヤツラに地球を回されてたまるかっての(笑)。この映画に欠落しているもの、それは共犯感覚である。犯罪映画に不可欠な、ハラハラドキドキの共犯意識が決定的に欠けているのだ。裏を返せば現代人のモラルのなさを如実に示しているわけだが、現実と空想の区別がつかない人が観たらどうするんだと言いたい。あと申し遅れましたが、作品名を間違えてすいませんでした(笑)。☆