今日の童話
ツァラトゥストラはかくかくしかじか 1ねん1くみ むらやまもとそうり
「ここに牛糞の山がある。仮にこれが金塊の山であるとしたまえ」
「はい」
「これだけの量があれば、1億まん円にはなるはずだ。ところがどうだ、こっちにあるこのちっぽけな札束、なんとたったの10まん円しかない。1億まん円と10まん円とでは、どっちが高いかな?」
「1億まん円です」
「そのとおり。では、わたくしがこの貧相な札束を受けとり、君がそちらの金塊の山を受けとるとする。すると君はわたくしの1000まん倍もの金をせしめたことになるわけだ。わかるな?」
「はい」
「では、1億まん円と10まん円とではどちらが欲しいかな?」
「1億まん円です」
「そうか。ではしかたがない。こっちの1億まん円分の金塊を君にくれてやろう」
「ヤッタアアアアア!!!!!!」
幸子に残されたのは膨大なうんこの山だけだったが、今の幸子にはそれが素晴らしい宝の山に見えるのだった。(おしまい)