ナチ女収容所/悪魔の生体実験
「ナチ女収容所/悪魔の生体実験(ILSA, SHE WOLF OF THE SS)」(1974 米・加 ドン・エドマンズ監督)90分
「ベルリンのバウム博士が"劣等民族の証明は体の一部でできる"と。どこか分かるわね。博士はその理論の証明のために集めてるの。あなたのも送られるわ」
「えせドイツ人め。血が汚れているのは明白よ。純粋アーリア人でない証拠よ」
「サイズは関係ありません」
色情狂で趣味は拷問、という手のつけられないおばさんが大活躍するイルザシリーズ第一作。「史実に基づきなんたらかんたら」と深刻さを装っているが、この手のキワモノ映画の目的はわたくしども観客の隠れた嗜虐・被虐嗜好に訴えるというきわめてシンプルなものだ。ロミナ・パワーたんみたいな可憐な美少女をいじめたいわたくしのような健全な変態もいれば、イルザおばさんにちんこを切り取られたいという珍しい嗜好の人もいるわけである。で、後半の脱走&復讐劇はちょっとありきたりで退屈。イルザが弱すぎるし、あふれだしたゾンビのような囚人たちに機銃掃射の雨が容赦なく降り注ぐといった悲惨な光景があればもっとよかった。ところで「シベリア女収容所/悪魔のリンチ集団」の予告編のナレーションには笑った。★