オトシモノ
「オトシモノ」(2006 日 古澤健監督)94分
ヒロイモノ 1ねん1くみ はなだまさる
(あらすじ)
駅で定期券を拾った人々が次々に失踪。それは八重子という幽霊がわざと落としたもので、どうやら拾った人に呪いを感染させるのが目的のイヤガラセであった。しかしその背後にはもっとわけのわからない謎が隠されていた。
(かんそう)
あーあ、道に落ちてるものをやたらに拾うなってあれほど言ったのに(笑)。遺失物を拾得して当局に届けずポッポナイナイするなど論外です。みなさんも道で拾ったものを食べる癖、いいかげん直したほうがいいですよ(笑)。しかしまあ、よくもこれだけどーでもいー作品ばかり連発できるもんだなあ、じぇいホラー。ゴキブリみたいに這い回る死者の群れはちょっとおもしろかったけどな。あとは「なめとんのか」状態。ケツ尻ナントカを主役に当てた時点でホラーを放棄しているのは仕方ないとしても、そこに欺瞞臭紛々たるシリアス要素を無理やり絡め、ケツ尻のくっさい芝居がその欺瞞性に拍車をかける。シリアスドラマがむっつりリアリティと首尾一貫性を追求するのに対して、荒唐無稽を絵に描けるのがホラーやコメディのいいところである。どんな八方破れでも支離滅裂でも軟着陸させる懐の深さがあるわけだが、それはあくまで狂ったテンションを維持することが前提(例「水霊」)。現実と非現実を漫然とかき混ぜても不協和音が発生するのはあたりまえであろう。とはいえこんな芸能コックローチの余興に投げ銭をする奇特な方々がいる限りぢぇいホラー界は安泰です(笑)。ξ