バーチャルこじき文化論〜萌えと死ねのあいだ〜
街のあちらこちらで犬のうんこが薫る季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。皆さんが心ここにあらずといった面持ちでエロ動画を漁っているであろうこの瞬間にも、世界のどこかで苦しんでいる美少女や今まさに頸を吊らんとする大人が後を絶たないわけですが、想像すると興奮して夜もおちおち眠れません。
さて、われらが祖国ポンニツにはタダで金品を無心するという伝統芸能がございます。いわゆるジャパニーズ乞食文化と呼ばれるもので、皆さんに謹んで日々実践いただいているところであります。たとえばインターネットで他人の日記を読むという行為、とりわけ偶像(アイドル)が垂れ流す個人情報に飽きもせず群がりひたすら「萌え」や「癒し」を求める諸君はこじきにほかなりません。ネットで何かを読んだりエロ画像をあさったりするのは、本屋で勃ち読みしたり道に落ちているものを拾って食べたりするのと同じぐらい浅ましい行為ですから、諸君はこじきの資格十分です。というかむしろプロ。バーチャルこじきのエキスパートと申せましょう。
諸君の発信する愉快なブログ(笑)についても同様です。この安いコミュニケーションツールを通じて要領を得ない長文をアップロードし、何かを表現した気になったりできるのは諸君にとって非常にラッキーなことだと思います。ブログがなければ諸君はこれほどまでに世界と繋がることもなかったでしょう。しかしながら、あいかわらず何を言っているのか意味がわかりません。流暢すぎて意味不明な分析やまわりくどい思考の断片の正体は一体なんであろうか。まして日記というよりただの自慢としか思えない糞レポートの目的とは? 途方にくれてわたくしは「で?」を反復しつづける、機械じかけのパロットのように。そして同時にいぶかしむ、あんなに賢くて可愛かったであろうはずの諸君(違ってたらごめん笑)がなぜこれほどまでに落ちぶれてしまったのか、と。
諸君が握りしめているくさいけいたいでんわやしがみついているきたないぱそこん、それはおびただしい死を内蔵した小さな棺桶です。諸君が愛や友情と名づけている呪わしいネットワークは未来の死が予言された不吉な四行詩です。記録した時点で過去となる現在、永遠の彼方に没し去った日常をつなぎとめんとする諸君のブログは死の記憶装置に他なりません。ならばそこにポエムは存在するのか?わたくしは知らない。
若年層の白痴化に拍車をかけるケータイ文化、ひきこもり脳を強化するインターネット文化。それらは人を幸せにしただろうか。先人たちが仕組んだ白痴化の罠にまんまとはまり、それとは知らずにシャブのようにどっぷり漬かっている諸君は本当に幸せなのだろうか。別に物事の負の側面を暴き立てて得意がろうというわけではない。単純に諸君の元気なこじきぶりが気に食わない、ということが言いたかったのである。要するにしょくんはうざい。諸君はなんでもかんでも都合のよいように解釈して前向きとかほざくのが得意だが、そんなものこのわたくしのネガティヴパワーの前ではひとたまりもないであろうということが言いたいのです。そしておまえらは口がくさいです。しょくんのちんけな夢や理想をぺしゃんこに踏みつぶすのがわたくしは好きです。
そんなみなさんに、わたくしから謹んでお願いがあります。どうか死なないでください。命を大切にしろなんて言いません。おざなりの道徳論をふりかざしてもみなさんには通用しないでしょう。問題はもっと深刻で切実なのです。勝手に死なれると困るのです。イタチアザラシ様にご迷惑がかかります。想定外の死が発生することによって霊界の波動がゆがみ、おかしなことになってしまうのです。人には最適な死のタイミングがあります。今はまだその時機ではありません。その時がきたらわたくしが合図を出すので、諸君はそのとき死んでください。
よし、いまだ!
・・・あ、まちがえた。早まった人がいたらごめん(笑)。おまえらの確認不足で申し訳ございませんでした。
来週は「ポンニツのくだらないみやげもんベスト10」を発表します。全国のまんじゅうやは戦々恐々としつつ待て。