雲のむこう、約束の場所
はげしいはげしい熱やあえぎの間から
おまえはわたくしに頼んだのだ
銀河や太陽 気圏などと呼ばれた世界の
空から落ちた雪の最後のひとわんを
ふた切れのみかげ石材に
みぞれはさみしくたまっている
わたくしはその上に危なく立ち
雪と水との真つ白な二相系をたもち
すきとおる冷たいしずくに満ちた
このつややかな松のえだから
わたくしのやさしいいもうとの
さいごのたべものをもらっていこう(宮澤賢治『永訣の朝』)
「雲のむこう、約束の場所(The Place Promised in Our Early Days)」(2004 日 新海誠監督)91分
ひげき 1ねん1くみ おっさん
いやあ、ホンマに牛の死体はうまいのう!(牛丼をくらいつつ) 豚もかしわもイタチもうまいが、やっぱりうしが最高やな。ちゅうわけで朝から牛丼食いながら観たんや、「雲のむこう、約束の場所」。アニメや。南北に分断されたもうひとつの日本という設定で、東北随一のレイプ王国青森を舞台に高校生たちのなんやようわからん青春を描いた映画や。でまあ、「アノコロ」「イツカ」「アノバショ」というおぞげをふるいたくなるフレーズを多用した吉岡秀隆の陰鬱な回顧形式のモノローグで幕をあける本作、むりやりでっちあげたひげきを描いたノスタルジジイ系のおセンチ映画かと思いきや、いきなり並行宇宙に関するわけのわからん説明が垂れ流され、なんや話がようわからんのじゃ。なんかもう理解するのがめんどくさかったので途中で放棄しましたが、異常に理屈っぽい「北の国から」を観ているような気分になりましたね。「北の国から」は観たことありません。と思ったらやっぱりおセンチ路線に戻り、ラストシーンに至っては嬉々としてさらけだされた監督の陰部を眺めているような気色のわるい錯覚に陥りました。評価できるのはパンチラ寸前まで開脚された女子中高生の脚をリアルにとらえたエローイッシュな光景ぐらいでしょうか。あとこの映画、光彩表現に異常に凝っていて、うざいまでに強調された光と影のコントラストが強すぎてよくわからず結局うざかったです。というわけでちゃんと観ていないのでなんともいえないがちゃんと観ればなんかのあれがあるかもしれんのでネクストジェネレーションなゴラクこじきのみんなにオススメしておこう(なげやり)。しっかし牛の死体はうまいのう!☆