窓
不況への心構えうんこに学ぶ 左京区 主婦 山下メキ子(60歳)
先日、電車に乗った瞬間「なんかうんこくさっ!」と思いました。うんこの入ったビニール袋もしくはうんこ本体が車内に放置されているのは疑いようがありませんでした。辺りを見回しましたが、数人の乗客がちらほらといるだけで、それらしい物体は見当たりません。しかも乗客の誰もがこのうんこ臭に気づいているはずなのに、平然としているのです。向かいに座っている愛らしい外人の親子連れなどは楽しそうにおしゃべりしています。うんこ臭まじりの空気を吸わされることに一抹の理不尽さをおぼえながらも、まあそのうち慣れるやろ、しっかしうんこくさいのう、と思いながらニンテンドーDSをプレイしていると、駅に着いて例の親子連れが立ち上がり下車しました。するとその途端うんこ臭がウソのように消えたのでした。不況、不況とかまびすしい世相ですが、わたくしどもの暮らしも足元から見直していけば答えは意外と近くにある。あのうんこ連れ、もとい親子連れはそう訴えたかったのかもしれません。