納涼邦画特集
「八つ墓村」(1977 日 野村芳太郎監督)
うーむ。推理ものというより妖怪映画じゃった。なかなか笑わせてくれるシーンもあるのだが、とにかく長い、長い。。。正直あまりおもしろくなかった。最悪の評判だった市川版の方がワシにはおもしろかったのだが、どうだろう。渥美清ぶさいくやのう。エロシーンもまったくありがたくないなあ。名キャラ小竹・小梅のアヤシイ動きは、やはり岸田今日子でないと厳しい。しつこい謎解きも興ざめじゃ。もともと横溝作品は背景にある謎がアホみたいなものだから、原作同様、細部のギミックで押してほしいのである。ナショナル懐中電灯を頭に装着した山崎努はハマリ役。笑えない冗談すれすれだが。★
「犬神家の一族」(1976 日 市川崑監督)
終戦直後という時代は「日本的なるもの」の狂ったイメージが凝集されている。崑ちゃんはそのへん要領を心得ていて、ねっとりした情念と陰湿さむきだしの空気がとっても肌に心地よいのである。ガマガエルを撫でるキチガイ女とかSM白塗り三姉妹なんてこの時代でしか通用しないだろうな。例によって謎解きはどうでもよく、ひたすら映像と音楽の妙で魅せまくってくれるのが嬉しい。スケキヨ素敵っ。大野雄二のスコアもすばらしいです。あと、坂口良子がかわいい!★★