けだものだもの
ポポーという珍しい木が裏庭に生っている。8月〜9月にかけて、バーバパパみたいな形の青い果実をたくさんつける。この時期になると、むせかえるような香りが庭を埋め尽くすのだが、気候不順の影響か今年はいまひとつ不作である。辞書によると正確にはポーポー[pawpaw]らしい。いかにも南国っぽい名前と香りをもっているが、じつは北米原産。風味に独特の癖があり、慣れると癖になる。が、あまり一般向きでないとされたのか、メジャーにはならなかった。昔はいろんな地域で栽培されていたようだが、今では幻の果物とすら呼ばれている。癖があるといえば、アボカドも不思議な果物である。非常に栄養価の高い果物で、ビタミン・ミネラルのほか脂質に富むため「森のバター」とも呼ばれている。といってもほとんどは不飽和脂肪酸なので健康には良いらしい。一般的には、皮が黒く熟してから「刺身」にする。ビンチョウマグロみたいな食感で、これも慣れると癖になる。逆に、食うタイミングと食い方を間違えるとこれほどまずいものはない。というか果物だと思って食うとえらい目に合う。最近は1個100円ぐらいで普通に果物コーナーで売っているので、なにも知らずに青いまま食って激怒する人が必ずいる(というか俺)。アメリカではカリフォルニアロールとかハンバーガーなんかに使われているので有名だ。「果物の王様」と言えばドリアンだが、こちらはその理由がいまひとつはっきりしない。「果物の女王」はマンゴスチン、これも理由は不明である。ちなみに「ケダモノの王様」は「狂」った人ですね。