タイム・マシン/80万年後の世界へ
「タイム・マシン/80万年後の世界へ(THE TIME MACHINE)」(1959 米 ジョージ・パル監督)
時航機のデザインは微妙(というか失笑もの)だが、時間の経過を早回しで表現した特撮がとにかくキュート! ビルの建設シーン、着せ替えマネキン、モーロックの死体が崩壊するシーン、すべてこれ幼児的な驚きと興奮に満ちています。はっきり言ってこれらのシーンのためだけに観ても損はない。エロイの姉ちゃんかわいいな。さて、原作者の不肖の曾孫の手によりただのロマンス仕立てになったリメイクもそうだったが、今回も同じ不満を感じた。浅いのである。だいたい原作のあの超恐ろしいシーンをなぜ描かないのだろう。あの最後の海辺の寒々とした光景に小学生の俺はちびりそうなほど大変なショックを受けたものだ。哲学的な部分をすっぽり抜かして底の浅あい活劇風にしたかった気持ちはわかるけども、19世紀末にウェルズが透視した暗黒未来のグロテスクな構図を「未来人」の技術で再現してもよかったのでは。★1/2