子供たちの子供たちの子供たちへ
いつだったか小学校の校長先生が生徒の前で「ドレミの歌」の死ね死ねバージョンを披露して物議をかもしたことがあった。いわく「教育者にあるまじき発言」「生命の尊厳に対する冒涜である」「ファは墓場のファは強引すぎ」「ラはドラキュラのラも語呂が悪すぎる」「俺の子供の頃はお寺のラだった」云々。最終的にはこの程度のことでヒステリックに騒ぎ立てたPTAやマスコミの愚鈍さが物笑いの種となって終息したのは記憶に新しい。いかに軽率とは言え、かの校長のとった行動がことさらに死を隠蔽しようとする世間の風潮へのささやかなアンチテーゼであったのは明らかだが、いかんせん持ち出した歌詞が古すぎかつ幼稚すぎた。かえすがえすも口惜しいことである。教育的見地からすると、せめてこれぐらいの歌詞をつけていれば叩かれなかっただろうに。
ドはドストエフスキーのド
レはレーニンのレ
ミは三島由紀夫のミ
ファはファスビンダーのファ
ソはソルジェニーツィンのソ
ラはラヴクラフトのラ
シはショウペンハウエルのシ
みんな死んじゃった
あ、ソルジェニーツィンは死んでなかったっけ。生きてたらごめん。