小公女
「小公女(A LITTLE PRINCESS)」(1986 英 キャロル・ワイズマン監督/フランシス・ホジソン・バーネット原作)
私は年に1度はこれを観ないと気がすまないのですが、いやはや何回観てもすばらしい作品ですね。英国製テレビドラマ全6回分を2巻に収録したもの(日本語吹き替え版)で、ビデオ撮り特有の画質の安っぽさこそあるものの、サディスティック・ロリータ学園ものの傑作であるあのエロい原作を忠実に映像化しているうえ、サド度・ロリ度ともに水準以上の秀作に仕上がっています。ミンチン女学院に渦巻く醜い嫉妬と欲望、絶え間なく繰り出される差別・貧困ギャグ、落ちぶれたセーラへ加えられる容赦ない仕打ちの数々。人間とはなんと残酷な生き物でしょう。それだけに、やがて訪れる静かなリベンジの瞬間にはわかっていても鳥肌が立ちますね。見事な演出だと思います。ハリウッドが血迷って作った「リトル・プリンセス」の失笑・爆笑ぶりとは大違いです(まああれは別の意味で面白いのですが)。そこへもって暗くて寒い不潔な屋根裏部屋に美少女を軟禁するという、児童向け作品とは思えないこの嗜虐性。屈辱に悶え狂うセーラ嬢に激萌えです。なんども言いますが、逆境に耐える美少女ほどエロいものはこの世にありません。バーネット女史はエロの神髄を完璧なまでに把握していると言えるでしょう。で、なにはともあれアメリア・シャンクリー最高。アメシャン主演で「不思議の国のアリス」を作らなかったのは映画史上最大の汚点ですね。タコ田ではダメです。というか「フィアー・ドット・コム」のアメリア・カーティスって別人ですよね?で、このビデオですが日本語吹き替えの出来がよいのである。日本アニメーションの「小公女セーラ」の声優陣とかぶっているのもポイントが高い。あのアニメもまあ悪くはありませんが、やりすぎて原作のもつ寓話性が損なわれているのが欠点です。ちなみにベッキー役は潘恵子おねえさま(悩殺)。
<名言集>
「貧乏だと大変なのね」
「ベッキーはおなかがすくとゴミ箱からパンの耳を拾うわ。だけど盗みなんて絶対しないの」
「ペコペコで死にそうよ。今だってわたし、あなたを食べたいくらい」
アメシャン