マイ・ドッグ・スキップ
「マイ・ドッグ・スキップ(MY DOG SKIP)」(2000 米 ジェイ・ラッセル監督)
うひゃー。勘弁してほしいですね。吐きそうです。「スタンド・バイ・ミー」的な回顧形式の映画ってだけで鬱になるのに、それにもましてタチが悪いのは、あからさまなお涙頂戴的偽善臭がなんのためらいもなく描かれているという点。映画版「クイール」は犬の目線を導入することである種の品格を保っていたが、こちらは人間の独善的な主観からしかものを言っておらず、子供と犬と戦争をノスタルジイで煮込んで差し出しほら泣きなさいという感じで作り手の作為がむきだしになっている。もちろん主演した犬にはなんの罪もないし、素直な目でみればどうってことない平凡な動物映画で終わるのだろうが、これをして心温まるヒューメン映画などと形容するのは断じて承服できない。ξξ