健康のことばかり気にしていたら病気になってしまう
ネット上の議論を見ていると実にくだらないことが書いてある。とりわけ他人の言葉尻をとらえたり揚げ足をとったりする泥仕合ほど空疎で無益なものはなく、当事者同士で無駄にストレスをつのらせているのが傍目にも覗えて笑える。ナンセンスな言葉遊びや罵倒ごっこを楽しんでいるわけでもなく、どうやら真剣に相手を貶したり威嚇したりして、顔が見えないだけに本気で喧嘩しているらしいのである。その前にこの人たちは他人の言っていることが本当に理解できているのだろうかと思う。よほど共感できるとかいうのでない限り他人の思考というのは追跡するのが困難で、半分も理解できているかどうかあやしい。それどころか、そもそも真剣に理解する気があるのかどうかすら疑問だ。たとえば俺のように物事の表面にしか興味のない人間は、他人の話など適当にしか聞いておらず、はなから理解する気がない。すると、それに気づいた方が躍起になってさらにまくしたて、聞かされる方は聞けば聞くほど理解する気がますます失せるような気がする。簡単に言うと、相手の必死さに退くのである。そんなわけで、結局まともなコミュニケーションは成立せず、しこりを残したまま中途半端に妥協したりうやむやになったりして収束する。ネット上に限らず議論とは所詮そういうものであろう。そんないいかげんなものにかかずらって時間を浪費するにはよほどヒマでないといけないし、ディスコミュニケーションを楽しめる余裕がないとマジギレして醜態をさらす羽目になる。もっと言えば、ディスコミュニケーションを楽しむには傍観するのが一番であろう。その意味で、傍観とは抑制と達観を必須条件とする高等テクニックなのである。というわけで傍観者のみなさん、おおいに自信をもってください(笑)。