サンゲリア
「百円ちょうだいよ。手相みてあげるからね。昨日から何も食べてないの。あんたひどい手相してるねー。家難水難輪禍それに病気、あんた近いうちに死ぬって出てるよ」
「百円かえせよ」
「サンゲリア」(1971 日 寺山修司監督)
「田園に死す」で見せた寺山修司の日本的な妄執には惚れたが、これは正直いまひとつ。挑発する悪意と脈絡のないエロ(せっちゃんえろすぎ)とパイソンばりの狂ったミュージカルはおもしろいが、無駄に長いし、音楽がいいかげんうるさすぎる。笑うしかないシーンと不快きわまるシーンが交互に訪れる。むしろちんこサンドバッグが図示されて「お経を書いたらどうか」とか真面目に書かれた原稿の方が興味深い。出来上がったものよりも創造的過程の方が楽しいということか。映画が好きなどと臆面もなく言える幸福な人にこそ是非観てもらいたいところだ。この映画を必死に否定している見苦しい映画ヲタはおのれの鏡像を観ているんでしょうなあ。ていうか前衛前衛ってうるさいよ。ボレーの練習でもしてろ(笑)。・・・おお、寒い、寒いな。ここは南極か?★