ホワイト・ナイトメア
「ホワイト・ナイトメア(TURN OF THE SCREW)」(1992 英・仏 ラスティ・レモランデ監督)
「回転」の陰に隠れて過小評価されがちだが、5回以上観ているぐらい気に入っている。「アザーズ」には若干及ばないものの、雰囲気といい登場するアイテムの禍々しさといい、ゴシックホラーの正統な衣鉢を継ぐ秀作であろう。とってつけたような邦題とは裏腹に、原作どおりの英題が付されているが、タイトルバックに登場するプラクシノスコープが本編でも効果的に使われており回転フェチにはたまらない。アンティークな調度品の数々、キモ人形などのセンスも素晴らしい。なんでホラー映画の子供ってどうみてもきもちわるい人形を大事そうにかかえているんだろうね(笑)。しかもこっちの兄妹はマジで可愛いのだが、それだけに狂ったような無邪気さから時おりみせる凶暴性にいたるまで不快度は充分である。「殺して!あの女を殺して!」と金切り声をあげるフローラの憎たらしいこと。「回転」の禍々しい幽霊描写は見当たらないが、全編にこけおどしが効いていて退屈しないし、観終わった後になんとも言えない解放感がある。「妖精たちの森」と合わせてDVDを出すべき。