山椒大夫
「山椒大夫」(1954 日 溝口健二監督)124分
よく知らんが原作は森鷗外の創作?で、『安寿と厨子王』としても知られる話。鬼畜鬼畜と聞いてはいたが、評判にたがわずエグいですね。立派な鬼畜ホラーである。幼い兄と妹が人身売買のすえ強制収容所で重労働。奴隷としてコキ使われるハメに。鷗外の変態(笑)。そんな鬼畜シーン以外にもいくつか印象的なシーンがあって、なすびのヘタみたいな帽子をかぶった一行がススキの原っぱを進むシーンは非常に幻想的で美しい。あと人攫いのババアどもに騙されて子供たちが母親や婆やと引き裂かれ連れ去られるシーンが狂おしいですね。欠点としては、安寿たんが死んでからが長すぎて退屈。要するに『小公女』風のリベンジ物語なのだが、途中で寝ちゃったよ。かと思いきやラストシーンがまたブラック。おかんがあんまり悲惨なので鬱になった。まあ舞台が佐渡(サド)じゃあしょうがないか! あと、古い映画だから当然だが、見たことない人ばかり出ている。全員お亡くなりになっていることでしょう。(-人-)合掌。★