バッドサンタ
「学校で頑張ったから、プレゼントもらえるかな。去年もおととしも僕にはプレゼントくれなかったでしょ。僕、最低の負け犬だから」
「バッドサンタ(BAD SANTA)」(2003 米 テリー・ツワイゴフ監督)
笑える。笑えない下ネタから泣かせるエピソード、ご都合主義のラストまで含めて笑える。昔からクリスマスにまつわる胡散臭い逸話は数知れない。サンタがSATANのアナグラムであり、泥棒のアナロジーであるのは言うまでもないが、この映画のサンタはまさに最低のクズ野郎である。が、最低であるがゆえの慈しみもまたもっている。ダメ人間がダメ人間の影響を受けて改心するくだりは感動的。冒頭とラストに流れるショパンのノクターン第2番が本作のイメージを決定づけている。コーエン兄弟がかんでいる割にはおもしろいなあと思ったら、監督は「ゴーストワールド」のひとだった。微妙に納得。ただ、いい映画なんだが、なにかというとサンタが交尾をするのでお子さまと観るのはやめた方がいい。まったくしょうがねえなアメ公は。★1/2