Grand-Guignol K.K.K

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誕生日はもう来ない

ダサいジャケ


「誕生日はもう来ない(HAPPY BIRTHDAY TO ME)」(1981 加 J・リー・トンプソン監督)111分
サントラ改変が問題になった米DVDの移植盤。確かにところどころダサい曲に置き換わっているような気もするが、言われなければ気づかない程度。昔ダビったビデオをひっぱりだしてきて確かめる気にもならない。心配していたテーマ曲は無事だったのでまあ許容範囲ではなかろうか。amazon.comでボロクソに叩かれていたが、ヲタのパワーってすごいなあと思った(笑)。むしろジャケのセンスの方が問題であろう。誰だよコレ。VHSのジャケにはシシカバブの串をのどちんこに突き刺された人のかっこいいイラストが描かれていたのに。さて、メアリー姉さんことメリッサ・スー・アンダーソン演じるバージニアが、貧乏から這い上がり金持ちを見返すため地元に戻ってきたが、誕生パーティーに友達が一人も来なかった(いなかった)ので代わりに死体を調達してくるという、だいたいそんな感じの泣ける話である。そんなバージニアと同じぐらい哀れなのがこの映画だと言う人もいるが、その人の目は節穴でできている。なんだかんだで面白い作品である。原題がいいし、故Syreetaが歌うテーマ曲"HAPPY BIRTHDAY TO ME"は名曲。Syreetaってよく知らんが。さらに、この時代のB級ホラーは一定のクオリティを保ちながらも微笑ましいツッコミどころが多いが、これは並のレベルを超えている。目を疑いたくなるほどアクロバティックなラストの展開は、プロデューサーとかが思いつきで「いいからもう一回ひねれって。いいから」とゴリ押しで作らせたようにも思えるけども、そんなことはない。じつはこのプロットは周到に計算しつくされていて、その証拠に当時試写が終わって「そんなアホな!」と逆ギレした観客にJ・リー・トンプソン監督が「ごめんごめん」と笑顔で答えたというウソの逸話が残っている。そんなわけで、破綻した物語の魅力が堪能できる痛快な反ミステリーであるとともに、なにかというとオチとかほざく連中の悔しそうな顔が目に浮かぶ、そんな後ろ暗い喜びをかみしめながらお薦めしたい逸品だ。メリッサたんのサービスショットもあるよ。
http://youtube.com/watch?v=Be-t1W0C2hA