ピストルオペラ
「ピストルオペラ(PISTOL OPERA)」(2001 日 鈴木清順監督)112分
「ピスオペをみて」 1年1組 大川栄策
予告編のカッコよさにしびれたので観たのだが、映画文法を無視して観客に喧嘩を売るいさぎよさは買えるものの、見慣れた役者がありえない演技をすることで非現実のリアリティの代わりにわざとらしさが助長されもするだろうし、そのわざとらしさがギャグに転じているわけでもなく、要するに「変なものを観ている」という快感が抜け落ちている以上、単に意味不明な茶番劇にしか見えないというのはこの手の映画にとって致命的ではなかろうか、とあえてタンスをかつぎながら私は訴えたい。とりわけ主演の青木さやかが見苦しく、せめて黙っててくれたらいいのだが余計な台詞を連発してシーンを台なしにする。シュールレアリスティックな説得力を辛うじて維持しているのはあのヘンな女の子の存在であり、むしろドシロウトとかそういう雰囲気の存在感がこの映画には似つかわしく、全編通してみると(つまり完成品としてみると)つまらないが、部分を切り取ってみるとびっくり箱的な奇想に彩られているだけに惜しい。あと、関係ないがこの映画、幽霊が映ってた。★