チャイルド・プレイ/チャッキーの種
「チャイルド・プレイ/チャッキーの種(SEED OF CHUCKY)」(2004 米 ドン・マンシーニ監督)87分
シリーズ5作目。1作目が好きな私としてはこんなものを認めたくはないのだが、前作よりは面白かった。「チャイルド・プレイ」の生みの親であり、シリーズの脚本を一貫して担当しているドン・マンシーニがみずからメガホンを取ってトドメを刺したということは、このシリーズのくだらなさが確信的なものであったということだろう。ひとつ感心したのは一人称カメラによる導入部分、アルジェントばりの華麗な殺人シーンが非常にカッコいい。もちろんまともなのはこのシーンだけで、あとはお約束どおりひたすらバカバカしい大人の人形劇が繰り広げられる。微妙にブサイクな女優を本人役で出したり、「グレンとグレンダ」を引用したり、「ファンゴリア」誌の表紙でチャッキーに自慰させたり、○リトニー・スピアーズを爆殺したり、ジョン・ウォーターズの顔を溶かしたりと、パロディを交えたマニアックなくすぐりが豊富かつ血柱も内蔵も景気よく噴きあがるので、マニア的にはサービス精神旺盛な映画ではある。ただ、前作同様、残念ながらチャッキーが絶望的におもしろくないのである。こいつが大暴れするととたんに画面がしらけてしまう。チャッキー抜きならそれなりに絵になっているシーンもあるので、この主役の魅力のなさはもったいないと思った。あとジョーン役の女優がキュートなので、途中で死んでしまうのももったいない。★